鳴門市板東小学校での環境学習 【テーマ:気候変動時代における農地の多面的機能】
鳴門市板東小学校の第3回の環境学習が6月21日(金)に開催されました!第3回は、河口先生の授業で、「気候変動時代における農地の多面的機能」。
冒頭、河口先生から児童へ「ご家族に、お米やレンコン、野菜を育てられている人はいますか?」の質問では、多くの児童が手を挙げました。コウノトリもくらす地域ですので、農業がくらしの身近にあるのですね。
授業では、まず、地球温暖化と、地球温暖化にともなう気候変動の影響について。世界中で、様々な影響が出ていることを、河口先生が実際に行かれた現場の動画や写真も使ってご説明をしていただきました。動画では、実際に氷河が溶けている様子の動画を見せていただき、気候変動の影響が世界中で起こっていることを、より、リアルに深刻に捉えることができました。また、今後の気温の上昇が1.5℃の場合と、2.0℃の場合の、それぞれで、どの程度、影響の違いがあるのかを説明していただき、わずか0.5℃の違いでも、その影響が大きく違うことが分かりました。例えば、1.5℃の場合だと、北極海の氷が無くなるということが起こる確率は100年に1度ですが、2.0℃の場合だと10年に1度と、起きる確率が10倍になるそうです。そうすると、氷の上でくらすホッキョクグマなどは生活できなくなりますね。
後半では、そうした気候変動の影響を低減することにもつながる農地の多面的機能についてのお話。日本でも最近、雨の降り方が変わってきて、各地で洪水被害が頻発していますが、田んぼや畑などの農地があることで、降った雨を溜めたり、また、ゆっくりと土壌が水をしみこませていくので、川に流れる水の量を抑えて(ピークカットして)、洪水を防ぐ機能があることを説明していただきました。また、そうした機能を増幅させる取組みとして、「田んぼダム」についても動画で分かりやすくご紹介していただきました。その他にも、農地には、大気を安定させる(気温の上昇を抑える)機能がある等、気候変動が進む現代において、その影響を低減する機能がおおいにあることを説明していただきました。
最後に、将来にわたって農業を継続し、絶やさないことは、コウノトリがこの地域でくらし続けることにつながり、そして、気候変動による様々な影響を抑制してくれることについて、改めてお話をしていただきました。
子ども達がこの地域の農業を誇りに思ってくれるといいですね!
河口先生、先日の田植えも受けて、農地のいろいろな役割のお話をしていただき、ありがとうございました!
※当基金では今年度より、鳴門市板東小学校での、地球温暖化とコウノトリをテーマとした環境学習(対象:6年生児童)の支援に係わらせていただいております。
※板東小学校での環境学習は、徳島県の「環境学習実践モデル事業」の一環として実施されています。板東小学校での環境学習への支援は、徳島県、一般社団法人地球温暖化防止全国ネット、徳島県地球温暖化防止活動推進センター、当基金が係わっています。